加圧トレーニングというのは、専用のベルトを装着して行うトレーニングのことです。加圧トレーニング専門のジムもあります。加圧トレーニングのメカニズムとメリット・デメリット、筋トレにどのような効果があるのか、そして同様の効果のあるトレーニング方法を紹介します。
加圧トレーニングって何?
加圧トレーニングとは、腕や脚の付け根を専用のベルトで締めることで、圧力をかけ、血流が制限されることで、負荷を大きくするトレーニング方法です。血流が流れないほど強く締め付けるわけではなく、静脈血流だけを圧迫します。 トレーニングは、負荷の許容量の65%以上をかけないと効果が出ないと言われていますが、血流を制限した加圧トレーニングですと20〜50%の負荷で筋力が大きくなる可能性があります。
筋肥大・筋力増強はどのように行われるの?
どのように筋肉が増大し、筋力が増えていくのかメカニズムを説明します。
加圧トレーニングのシステム
ベルトで足と腕の付け根を縛ることで、血液内の酸素が少なくなり、環境が過酷になるため、乳酸がたくさん発生します。その結果、大きな負荷のトレーニングをしたときと同じ状態になるため、成長ホルモンが多量に発生するのです。
超回復を利用する筋力増強システム
一般的に筋トレで、筋繊維が破壊されるため、その間筋トレを休んで回復を待ちます。回復するときに以前より少し筋繊維が太くなるので、その性質を利用して筋肉増強をしていきます。これを超回復と呼びますが、回復に約2日間必要です。
トレーニングで分泌される成長ホルモン
加圧トレーニングでは少ない負荷で大量の成長ホルモンが分泌されることを紹介しましたが、成長ホルモンがどのよう体に作用するのでしょうか。
成長ホルモンとは
ホルモンは、体の中で分泌され、あらゆる機能が効果を発揮できるように働きかけます。体内に100種類以上のホルモンがあり、体の機能をキープしているのです。 成長ホルモンは、その名の通り、「成長」に関わるホルモンです。身長を伸ばすためにも使われています。身長だけではなく、全身の細胞を活発にし、成長を促進させます。
成長ホルモンの働き
成長ホルモンの働きで、筋肉が増加します。そのため負荷が小さくても、成長ホルモンが多量に出ると筋力がアップすることにつながるのです。 それだけではなく、皮膚細胞も活発化し、皮膚の代謝が活発になるためお肌がピチピチになることも期待できます。また、成長ホルモンは脂肪の分解にも関与しており、美容面でのメリットがたくさんあるホルモンです。
加圧トレーニングのメリット・デメリット
加圧トレーニングのメカニズムを簡単に説明しました。もっと加圧トレーニングについて知るために、メリットとデメリットを見ていきましょう。
加圧トレーニングのメリット
加圧トレーニングのメリットは、負荷をあまりかけなくても、筋肥大効果や筋力が強くなる可能性が高いことです。負荷が少ないため、怪我をする可能性も低くなります。 筋繊維がダメージを受ける可能性も低いため、超回復期間も短く、短期間でトレーニングを繰り返せるため、筋肉の成長も短期間でできる可能性があります。
加圧トレーニングのデメリット
加圧トレーニングには、専用のベルトが必要です。腕や脚を縛ればいいというわけではありません。その専用ベルトが比較的高価であることがデメリットと言えます。同様に腕や脚を縛るトレーナーもかなり経験が必要です。圧力のかけ方が悪いと効果が出ません。そのため、加圧トレーニングのトレーナーがいるフィットネスクラブの会費もかなり高額です。 もうひとつのデメリットは、ベルトを巻く場所が腕と脚のみであること。つまり、腕と脚を中心とした部位にのみ効果があり、腹筋にはあまり期待できないということです。加圧ベルトを腕や脚に巻いて、腹筋をする場合がありますが、生理学的にはあまり意味がありません。
加圧トレーニングと同様の効果があるトレーニングは?
加圧トレーニングは、低負荷で効果が期待できるというメリットがありますが、そのようなメリットがあるのは、加圧トレーニングだけではありません。 例えば、スロートレーニングは、ゆっくりと動くことにより、筋肉に少ない負荷でも筋肉を引っ張る力を継続させることで加圧トレーニングのような効果が出ます。スロートレーニングは動作をゆっくりさせるだけなので、比較的楽に取り入れられるトレーニングです。 筋肥大・筋力増強のメカニズムを熟知したトレーナーなら、筋肉への負荷を少なくして効果的な筋トレを指導してもらえます。
▽まとめ
筋力アップをするメリットはたくさん
筋肥大・筋力増強のためにトレーニングをしていると、成長ホルモンが分泌され、脂肪が燃焼しやすくなる、お肌がきれいになるなどのメリットがたくさん。加圧トレーニングだけではなく、筋力アップを目的とするトレーニングには同様な効果が期待できます。通いやすいトレーニングジムに行って、筋力アップをしましょう。
▽参考情報
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-008.html https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinshumedj/53/3/53_165/_pdf
http://kaatsu-sports.com/menu/kaatsu-menu.html https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-003.html
このコラムが気に入ったら
ぜひ「いいね!」をお願いします♪
みんなに役立つ情報をお届けします。